ここには自分がいない

 人の中にいて本当に虚しく悲しいと思うことは自分がこの人たち、この世界の中に一人だと感じることだ。

例えば、人の中にいて、この人は自分と同じかもしれないという勘違いというか、思い込みというか他人の中に自分を見るということが少なからずあると思う。

しかし、自分にはなぜかこの感覚がここ5年くらいの間、自分を通り過ぎていくように思える。

 

自分がこの世界の一部だと感じる時は、世界と合一したという何か充足感に満ち溢れる。

しかし、自分の感じるそれは、世界の中にいるというよりも世界で独りぼっちだと感じる。

何よりも人肌恋しい。取り残されてしまった。取り除かれた。そう思う。

 

余談だが、自分には10年くらい理解できなかったゲームのセリフがある。

『未来を創ることと、過去を語り伝えることは同じなんだ』

このセリフが伝えたかったこととズレてしまっているかもしれない。

しかし、自分がひどりぼっちだと思った時、このセリフが浮かぶ、そしてこう思う。

自分と同じ軌跡をたどった人の歴史がないこの世界の中で、自分自身が生きていく未来が想像出来ない。自分には未来がないんだ。だからこそ過去を語り伝えることが未来を創るのではないか。

 

と、勝手にそう思い込んでいる。

きっとそう思う人はたくさんいる。自分は孤独の世界を生きているのだと。

孤独な人同士はお互いが透明人間になる。場違いな賑わいだけに視線を注いで、お互いに目を合わせることすらない。本当に孤独な存在だと思う。

そんな時、何に目を向けたらいいか。分かったら是非おしえてほしいと思う。